プレワークアウトサプリメントで差をつけろ!

プレワークアウトサプリメントで差をつけろ!

トレーニングの成果を左右するのは、「何を、どう鍛えるか」だけではない。パフォーマンスを最大化するためには、“プレワークアウト”=トレーニング前の栄養戦略がカギを握る。

高重量で挑む川中健介と、ハイレップ&効かせる方法で追い込む佐藤貴規──対照的なスタイルを持つ二人が、それぞれの視点からサプリメントの活用術と開発の裏側までを語り合った。
トレーニング前の“仕込み”が、筋肥大と差別化の決め手になる。
取材・文:飯塚さき 写真:EastLabs PhotoTeam、中原義史、岡部みつる

 

さとう・たかのり

1979年6月28日生まれ、東京都出身。株式会社THINKフィットネスゴールドジムプロダクツ事業部GGPグループ主任としてサプリメントの企画・開発を行う。2002年東京オープン60kg級優勝、20011・2012年日本クラス別70kg級優勝、2013・2014年日本クラス別75kg級優勝、2015年日本クラス別65kg級優勝、2017年日本クラス別75kg級優勝、日本選手権5位、世界選手権70kg級7位。

 

かわなか・けんすけ

2001年11月1日生まれ。千葉県出身。株式会社THINKフィットネスフィットネスプロダクツ事業部でサプリメントの企画・開発を行う。2022年オールジャパンジュニア選手権メンズフィジークオーバーオール優勝、2023・2024年日本クラシックフィジーク選手権175cm以下級優勝、2023年IFBB世界選手権クラシックフィジークジュニア21~23歳以下級優勝。

 

高重量とハイレップトレーニングスタイルの違い

佐藤 今回のテーマはプレワークアウト、つまりトレーニング前に摂るサプリメントについてです。サプリメントを摂取するときに重要視するタイミングについて、川中くんとお話ししたいと思います。


川中 筋肉を成長させるためには、トレーニングそのもののほかに、トレーニング前・中・後の栄養摂取が大切です。適切な栄養補給を行ってトレーニングの質を高めること。そうすれば、減量中でも筋肥大が十分可能になります。


佐藤 私も同意見ですね。筋肉が成長するきっかけはトレーニングなので、いかに栄養でトレーニング効果を引き出すかが重要なポイント。もっとも重要なタイミングはトレーニング後だと思っていて、それは一般的にも共通認識でしょう。トレーニング後30分~1時間以内がゴールデンタイムといわれています。では、それ以外の部分でどう差をつけるかというところで、トレーニング前にフォーカスします。その前に、トレーニングそのものについて、川中くんの場合は特徴的ですが、どんな考え方で取り組んでいますか。


川中 私は、とにかく高重量のトレーニングスタイルになります。高重量を扱うとき、気持ちが入っていないと挑戦すらできないので、なるべく体が覚醒している状態で臨むように一番意識しています。トレーニングの時間も長く取れなくなってきたので、余計に、トレーニングのスイッチが入っていないとできません。


佐藤 集中してスイッチ入れても、スクワット200キロ後半は持てないよ(笑)。自分の場合は真逆で、重さにこだわりはなく、とにかく筋肉をいかに疲労させるかを重視しています。重さを扱うよりは、回数と運動量で追い込むハイレップトレーニングスタイル。そんな我々は、それぞれ必要な栄養素も変わってくると思います。


佐藤 では、トレーニング前の栄養補給に話を絞ると、川中くんは自分でどういう栄養が必要だと思いますか?


川中 私の場合、トレーニングのパフォーマンスを高めるのが一番の目的なので、覚醒作用を大切にしています。また、必ず同じものを摂っていると、それがルーティン化され、自然と「トレーニングモード」に切り替わります。だからこそ私は毎日同じものを摂るようにしています。加えてその習慣自体が心と身体の準備運動のような役割を果たしてくれるので、トレーニングの集中力やパフォーマンスも安定しやすくなります。 午前中は、必ずコーヒー。コーヒーを飲むと勝手に仕事モードになります。午後はエナジードリンク。これらはルーティン化しているので、スイッチが入りやすくなります。さらに、トレーニング前はコーヒーやエナジードリンクにプラスして、テアクリンというカフェインの代替にあたるサプリメントを摂っています。持続力があって、夜眠れなくなる「カフェインクラッシュ」もないので、自分のライフスタイルに合っているんです。ちなみに、トレーニング中のドリンクは2パターンあって、ひとつはホエイペプチドとBCAAと糖質。もうひとつは、例えば脚のトレーニングは時間が長くなるので、アルティメットエネルギードリンクにホエイペプチドとBCAAを混ぜて飲んでいます。これは即効性も持続性もあるので、長いトレーニングや早く栄養がほしいときに重宝しています。加えて、クレアチンは朝食後と夕食後に摂っています。佐藤さんの栄養補給は?


佐藤 自分もトレーニングは夜が多いんですが、まずはトレーニング2時間前に、ホエイプロテインとおにぎりを100グラムくらい。私は空腹だと力が出ないので、この軽食を結構重視しています。そして、トレーニング直前に、総合アミノ酸とシトルリンとアルギニンというパンプを高める成分を摂る。私はハイレップで追い込むので、パンプが高められるように意識しているんです。トレーニング中は川中くんと同じく、ホエイペプチドと糖質を摂取して、筋肉を追い込んでいく。現役の頃はトレーニング時間が2時間近くあったので、BCAAも摂っていました。


川中 佐藤さんは、空腹ではトレーニングしないと言っていましたが、自分は真逆です。夕方5時くらいにプロテインを摂ったら、固形食は昼食が最後。夜8時のトレーニングは空腹ですることが多いです。体感的に、空腹のほうが集中しやすいのと、腹圧をかけることを意識しているので、未消化のものがあると腹圧のかかりが悪くなるんです。でもカタボリック状態に陥りやすいので、栄養補給ではBCAAやホエイペプチドのように、吸収の速いものを選択しています。まれに、朝トレーニングすることがありますが、筋グリコーゲンが貯蔵された状態だと思うので、絶対に朝食も取らないです。ただし、トレーニングでエネルギーは使われるので、素早い栄養補給は大事だと思います。

 

 

プレワークアウトの概念と新商品の開発

佐藤 そもそも、プレワークアウトのサプリメントって、いつくらいから取り入れていますか。私は割とトレーニング歴が後半になってきてから始めたんですが。


川中 私は高校生の頃からパウダーで摂取していました。当時は、SNSなどで若年層で流行っていた記憶があります。第一にアミノ酸って、吸収が速い認識だと思いますが、自分の体感だと、トレーニング中に摂取すると筋中に回るまでに時間がかかっていました。だったらトレーニング前の段階から摂取したほうが良いと考え、試した結果、バテにくく長時間トレーニングできるようになりました。


佐藤 自分は、パンプ系のシトルリン・アルギニンを取り入れてみて、パンプがより高まる、持続するようになった体感はあります。トレーニング中は低重量も高重量も、ハイレップも扱うので、サプリメントがあるおかげで、残りの2割3割を高められているので、非常に重要な栄養補給ですね。ただ、プレワークアウトに関しては、市場がまだ発展途上です。プレワークアウトというカテゴリーができたのはここ10年。まだ日本に定着していない感じがありますね。注力していない人が多いので、逆にこれを取り入れると差が出るでしょう。食事とサプリメントを、ケースバイケースで使い分けられればいいのではと思います。そしてこのたび、GGでプレワークアウトのサプリメントが発売されます。


川中 私のところでも、トレーニング前に何を摂ればいいかという相談が多かったので、今回制作に至りました。「アルティメットプレワークアウト」は、エネルギー産生をサポートして、運動パフォーマンスの向上に役立ちます。配合されているelevATP™は画期的な成分ですが、国内の市場ではまだ珍しい存在です。これに加えてアルギニンとシトルリン。あと、私が重視しているカフェインとテアクリンも入っています。さらに、チロシンと、トレーニング時のスタミナをサポートするベータアラニンも入っていて、これらをバランスよく配合しました。


佐藤 川中くんのような高重量でガンガントレーニングする人にも、自分のような回数で追い込むタイプの人も、全方位的に幅広く当てはまるものです。実際に飲んでみていますが、すごく体感もできています。


川中 私もすでに愛用しています。グレープフルーツ風味のパウダーで飲みやすいです。


佐藤 ぜひ、トレーニング前に取り入れて、周りと一歩差をつけてみてください。

 

 

※月刊IRONMAN(アイアンマン)2025年7月号より