愛用者 相澤隼人が改めて知る ホエイペプチドの魅力

愛用者 相澤隼人が改めて知る ホエイペプチドの魅力

身体づくりを熟知したハードトレーニーからの支持が、じわじわと上がってきている「ホエイペプチド」。 愛飲者の一人である相澤隼人選手と素材販売に携わる雪印メグミルク株式会社・細谷さんが対談し、 ペプチドの基礎知識を再確認するとともに、他にはない魅力と有効的な活用法について語り合ってもらいました。

ペプチド基礎知識魅力は吸収速度と栄養価

相澤 僕がホエイペプチドを飲み始めたのは、 高校生の頃です。飲んでみたら、トレーニング中 ずっとパンプが続くような体感がありました。そ れから今でもずっと飲み続けています。

細谷 ホエイペプチドはホエイプロテインを酵 素分解したものなので、比較したときの優位性は吸収の速さが挙げられます。ペプチドをさらに分解するとアミノ酸になるわけですが、ペプチド の吸収速度はアミノ酸に匹敵するレベルであ ると言われています。

相澤 吸収速度はアミノ酸とほぼ同じなんですか?

細谷 ペプチドは分解の度合いによって構成 するアミノ酸の数が異なります(図1)が、弊社 で扱うペプチドではアミノ酸が3個の「トリペプ チド」と2個の「ジペプチド」が大半を占めています。トリとジ、そしてアミノ酸には専用のトラン スポーター(輸送体)が小腸内に存在するので (図2)、吸収前に分解を受ける必要がありません。そのため吸収速度がほぼ同じになると考えられています。

相澤 アミノ酸も勧められるのですが正直、自分のような学生が継続利用するにはホエイペ プチドの価格帯がありがたいんですよね。だから吸収速度がアミノ酸とほぼ同じというのは、と てもうれしい情報です(笑)。でも、例えばコストの問題をクリアし たとして、ホエイペ プチドとアミノ酸とで悩んだ場合 に、どのように選択したらよいので しょうか。

 

(図1)

(図2)

細谷 単純に比 較した場合、アミ ノ酸組成の面で ホエイペプチドに 優位性を感じや すいでしょうか。 アミノ酸、例えば BCAAであれば当然バリン、ロイシン、イソロイシン以外の必須 アミノ酸は補充できません。その点、ホエイペプ チドはホエイプロテインを細かくカットしているも のなので、アミノ酸組成はそのまま維持されて います。同じペプチドでもカゼインや大豆を元と したものと比較してBCAAを豊富に含む(図3) うえに、筋合成に必要とされる残りの必須アミ ノ酸6種類と非必須アミノ酸11種類 を網羅で きます。

相澤 分子量が違うだけで、栄養価は同じな んですね。それでいて吸収が速くて比較的安価なんて、いいことづくしじゃないですか!

細谷 ペプチドはよく比較されるプロテインと アミノ酸の両方の良い点を掛け合わせたハイ ブリット型と認識していただければと思います。

筋合成の最大化を意識した 摂取タイミングと量

相澤 摂取タイミングについてはどうですか?  僕がホエイペプチドを飲むのは、トレーニング 中だけなんです。先ほど言っていた「体感」と は、パンプ感が続くことと最後まで集中力が途 切れないような感覚なんですけど……。

細谷 「体感」としてパンプアップが続いたり、 集中力が継続したりすることと、ペプチドとの 関係は残念ながらわかっていません。一般的に は、筋合成が高まるタイミングであるトレーニン グ後の摂取がスタンダードと言われています。 ただ、前後のどちらがベターかという議論は続 いています。 トレーニング中の摂取についてはあまり言及 されていませんが、運動中は筋合成と筋分解 がともに亢進している状態にあるので、カタボ リックの予防、そしてトレーニングを最後までや り切るためにもエネルギー補給が必要という考 え方もできます。トレーニング前やトレーニング 中にアミノ酸やペプチドを摂取するのは、効果 的なのではないでしょうか。

相澤 タイミングと合わせて、気になるのが摂 取量です。僕はトレーニング時間に応じて1回 につきホエイペプチドを40~60g 飲んでいま す。60g を飲むのは身体の半分を主に攻める 脚の日。1部位だけでもかなり時間が長くなる ので、アミノ酸の血中濃度が気になって多め に。それ以外の部位の日は大体40g にしてい ます。

細谷 まず、タンパク質のとり過ぎによる腎臓への負担を考慮せざるを得ません。一般的には、非運動実施者は体重1㎏ あたり0.8g、運動選手は体重1㎏あたり1.4~2.0gと言われ ています。これを摂取目安にしていただきたい です。

相澤 ボディビルは普通の基準が当てはまる 世界ではないかもしれません(笑)。体重1㎏ あたり2g と言われて も、やっぱり少なく感 じてしまうんです。

細谷 現状、どのくら い摂取しているので すか?

相澤 今は体重80 ㎏で1㎏あたり3.5g 目安です。もちろん、 はじめは2g から始め ましたが、不足を感じ て少しずつ調整して いった結果、ここに落ち着いた感じですね。でも、まわりのビル ダーに話を聞いても2g で満足している人はほとんどいません。 ハードに鍛えれば、それだけタンパク質が必 要になるように思うのですが、そのあたりの研究 は進んでいるのですか?

細谷 筋合成を最大限高めるために必要なタ ンパク質量については、これまでたくさんの研究、議論がなされてきました。そこから、1回あたり20~30gの摂取でピークに達する、と言われています。

相澤 20~30gである理由は、わかっているのですか。

細谷 「ロイシントリガー説」というフレーズを耳にしたことがあるでしょうか。 BCAAのひとつ 「ロイシン」の血中濃度が、ある閾値を超える とタンパク質合成が始まる、という説です。閾値 を超えたあともロイシン濃度が高まるほどに筋 合成も高まるのか、あるいは閾値を超えたタイミングで筋合成のスイッチを押すだけなのか、研 究が始まって数年経った今もまだ結論は出て いません。それでも筋合成を高めるためにロイシンが欠かせないことはわかっているので、まず 閾値に到達するためには20~30g のタンパク質摂取が必要と考えられています。

相澤 ロイシンは、筋合成のスイッチの役割を 果たしているんですね。……え、でも、ロイシンだ けをとっていればいいってことには、なりません よね?

細谷 そうですね。スイッチを押しても筋合成 に必要な材料がなければ実働は起こ りません。ロイシン 以外のアミノ酸も 同時に摂取するの が合理的です。

相澤 ここにもホ エイペプチドを選 ぶ利点があったとは!

細谷 さらに、お伝えしておきたいこととして、筋合成のスイッチ は、ロイシンのみに託された役目ではないという ことです。トレーニングなどの運動によって筋合 成のスイッチが入るメカニズムの解明が進ん でいますし、糖質摂取により分泌されるホルモン 「インスリン」にも筋合成のスイッチを入れる働 きがあると言われています。

相澤 ハードなトレーニングを行うことによって、筋合成のスイッチが入り、より多くのタンパ ク質が必要になるのなら、吸収がすみやかで栄養価も高いホエイペプチドのメリットが生きてきますね。

細谷 筋合成に対して、運動と栄養素には相乗効果があると考えられています。運動なしで ロイシンを直接血中に投与する実験があるの ですが、そこからわかったことは投与後に一定 時間が過ぎると血中ロイシン濃度にかかわら ず、筋合成の速度は摂取前と同じに戻ってしま うということでした。この現象は、筋合成には上限があるという意味で「マッスルフルエフェクト」 と呼ばれています。しかし、運動はこの上限を押し上げるという見方もあるのです。

相澤 ビルダーの体感は、あながち思い込みっていうわけでもなさそうですね。ホエイペプチド の摂取量も、僕は体感ベースなんですよね。1回1リットル強入るボトルに炭水化物42gとホ エイペプチド20gを溶かしてトレーニング中2回 飲んで、脚の日はホエイペプチド20gのみだけ をもう1回飲むようにしたら、体感が上がったの で続けています。 ここでいう体感っていうのは、BCAAだけを 飲んでいた当初と比べて、トレーニングの途中 でガス欠を起こさなくなったというところ。最後 の種目までしっかりできるし、きっちり追い込め るようにもなったんですよね。ほかの選手たちも 「○○選手がとっているから」とか「勧められた から」とか、そういうのがキッカケだったとしても、 結局は体感があるからこそ継続して飲んでいるものだと思います。トレーニングに没頭していくと一番効くのは!?と情報を求めてしまいます が、本当に大切なのは、自分の身体にフィットし ていること。だからやはり自分の「体感」を信じ て、これからもホエイペプチドを選んでいきたいなと思います。

 (図3)

GOLD'S GYM MANIA Vol.36より

嶋田慶太が語るホエイペプチドの魅力