グルーツビルダーホームとボックスを使ったトレーニングを紹介
Vol. 1
グルーツビルダーホームとボックスを使ったトレーニングを紹介
Vol. 1
さまざまな生活環境の変化を受けて、自宅で自重トレーニングを始めるとともにホームジム化を検討する方が増えています。今回は、コンパクト設計となって新たに登場した「グルーツビルダーホーム」と1つあるだけで自重トレの幅が広がる「グルーツボックス」をご紹介!岡部友さんのトレーニング効率を高めるヒントと2種類の器具を用いたヒップエクササイズ例もあわせてお伝えします。
おかべ・とも
1985年生まれ、神奈川県出身。株式会社ヴィーナスジャパン代表取締役。高校卒業後、アメリカで運動生理学、解剖学を学び、フロリダ大学在学中に、プロアスリートに指導できるスポーツトレーナーが保持する資格NSCACSCSを取得。2019年7月現在、女性専門ジム「Spice up Fitness」を南青山、原宿、名古屋、大阪の4店舗で運営。今年4月には、NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」に出演し大きな反響を呼んだ。
私たちは、日々トレーニングをすることで身体を変えています。実際のところ、身体に何が起きているのかというと、入ってきた刺激に対して身体がそれに「適応」しているだけ。この適応の結果、大きくなる、強くなる、あるいは機能を改善させているだけです。だから、今の状態から身体を変えたいと思うのならば、その刺激によってどんな変化が身体に起こるのかを知り、欲しい変化をさせる刺激を身体に与えることが大切です。今回は「刺激」について、お話ししたいと思います。
3つの刺激の関係性
トレーニングの刺激に対する反応の種類は大きく3つのフェイズがあります。刺激により①代謝の変化②筋肥大③神経系への適応が起きます。3つのフェイズは個々に分かれているわけではなく連続性があり、②寄りの①、③寄りの②と言う間の適応もあります。①〜③のどの変化を起こしたいかで与える刺激が変わってきます。
①の代謝の変化を起こすにはどんな刺激が必要かというと、セットあたりの負荷のかかる時間を長くする必要があるので、レスト短めの高回数(15〜20回)で行うような刺激です。負荷のかかっている時間が長いのでエネルギーの最小単位であるA T Pをより多く使い、疲労物質をより早く代謝できるようになるので、筋持久力の向上が狙えます。簡単にいうと疲れにくい身体になります。②の筋肉の体積を増やす筋肥大を起こすのに必要な刺激は筋線維一本一本あたりへの負荷を上げて筋タンパク合成をいろいろな刺激(トレーニングの種類)で促す必要があります。回数で言うとMAX8〜12回でレストは①よりは長めだけど出来なくなる(上がらなくなる)まで追い込む刺激が必要です。③の神経系への適応とは名前の通り神経系に起こる反応で、ストレングス強化と言われることが多いです。厳密には一緒ではないですが、一度により多くの筋線維を早く収縮させることができるようになります。これを狙うなら4〜6回がMAXの重い負荷で①とは逆でセットあたりの負荷のかかる時間は短いです。①〜③はそれぞれに適した種目があるわけではなく、同じエクササイズでも負荷の設定と反復回数との組み合わせによって適応する反応が変わります。
ここで絶対に間違えてほしくないのが、回数に対する認識です。提示しているのは「もう、どうやっても上がらない状態になったとき」の回数の目安。筋肥大なら8〜12回で限界を迎える負荷でトレーニングをするということであって、50回できる負荷で8〜12回やるというような意味ではありません。
そしてこの3つのフェイズについて、知っておくべきことが2つあります。ひとつは、持久力と筋肉の大きさと強さの関係性は必ずしもイコールではないという点。筋肉の大きさを変えずにストレングスを向上させることは可能ですし、持久力が強いからといって、筋肉が大きいわけでもありません。
もうひとつは、持久力と大きさと強さは互いに高め合う関係性にあるという点。強い筋力発揮ができるようになると筋肥大に向けたトレーニング動作が格段に上手くなりますし、持久力がアップすると疲労耐性がつき、筋肥大のためのトレーニング中、最後出来なくなる前の数回がフォームを乱さずにできるようになります。
要するに、バランスなんですね。筋肉の成長を止めることなく身体を進化させ続けていくためには3種すべてのフェイズが必要で、それを理解した上でどのタイミングで何を求めて何を選ぶのかを考え、実行に移すことが大切になってきます。
SPICE UP FITNESS店舗紹介
原宿店(フィットネスショップ内)